導入事例

サカトの業態 ~ 交換式破砕機世界最先発メーカー

-- サカトの業態について教えてください。

サカトは、交換式破砕機のメーカーです。交換式破砕機とは、平たく言うと、ビルを解体するパワーショベルの腕の先についている、クワガタの歯のようなゴツい部分のことです。これを建物に当てて、解体を行います。

実は、この交換式破砕機の分野は、サカトが、世界でいちばん最初に開発しました。今でも、世界最先端の研究開発を続けています。ちなみに 1989年にベルリンの壁を壊したパワーショベルの腕の先に着いていたのは、サカトのアタッチメントです。かつてはドイツ、フランス、イタリアにもOEM供給していました

サカトのお客様となるのは、解体会社、建設会社向け機器レンタル会社、建機商社などです。直接販売の営業エリアは、主に首都圏。主な営業対象は、年商100億円以上の解体業トップユーザーです。

直近の営業状況 ~ 1年で売上げ180%増

-- 最近の営業成績はいかがですか。

最近はよく伸びています。私が社長に就任した2005年から2006年にかけて、売上げは5億から9億へ前年比180%増、一人当たり売上げも7,200万から 1億8,000万円へ前年比250%増となりました。

ちなみに、営業マンの人数は増やしていません。2005年は7人、2006年は5人と、逆に減りました。

なぜ売上げが急激に伸びたのか 
     ~ 開発力、会社規模、生産能力の3つの観点から、直販に注力

-- 今日は、一年で売上げ180%増という驚異的な成長を果たすにいたった経緯、背景を詳しく聞きたいと思います。

 

-- サカトの急成長の要因は何だと分析しますか。

売上げが伸びた最大の理由は、「営業モデルを、サカトの『開発力』、『会社規模』、『生産能力』に合ったやり方に変えた」とことだと分析します。具体的には、首都圏の解体業トップユーザーへの直接販売を強化しました。

直販に注力した理由 ~ 開発力からの観点

なぜサカトには、直販が適しているのか。第一に、「開発力」から見た観点。サカトは、交換式破砕機における世界最先発企業であることに誇りを持っています。技術、品質でだけは負けないよう、常に研究開発に尽力しています。そのような弊社にとっての「理想のお客様」は以下のように描写できます。

  サカトが120%の貢献ができる
理想のお客様
サカトよりも他の会社の方が
向いていると思われるお客様
要求品質 求めうる最高のものを 普通水準で十分
価格 良い物には対価を払う 安ければ安いほど良い
用途 特殊な解体 普通の解体
解体の
難易度
特殊工法が必要。工法ごとサカトと共同開発したい 通常工法、従来製品で十分

このような「理想のお客様」は、言いかえれば、従来工法、従来アタッチメントでは歯が立たないような、難しい解体工事を手がけているお客様です。そのよう なお客様と出会うには、普段から、お客様と直接接触して、いざという時にご相談いただけるよう、関係を深めておく必要があります。

なお、サカトは、難しい解体工事を手伝う場合は、交換式破砕機を提供するだけでなく、「解体の工法ごとお客様と共同開発する」やり方を取ります。あるいは 「そのタイプの工事なら、最近似たような仕事を、こんな風にこなしましたよ」と、経験に基づくノウハウをお客様にご提供します。

直販に注力した理由 ~ 会社規模からの観点

-- 直販に注力した観点、その二、「会社規模」とは、具体的には。

交換式破砕機の市場には、多くのライバル企業がいます。それは、一部上場の建機の総合メーカーであることも多い。「会社の規模」においては、サカトはとうてい太刀打ちできません。

そのような中小企業であるサカトが、大企業のライバルと伍して戦って行くにはどうするべきか。キラリと光る技術を磨き、お客様のニーズに徹底的に応えるほかありません。

お客様のニーズを深掘りするには、やはり直販を通じて、関係を密にすることが重要です。

直販に注力した理由 ~ 生産能力からの観点

-- 直販に注力した観点その3、「生産能力」とは。


平たく言うと、「仮に間接販売で大量注文を取れたとしても、サカトにはそれに応える生産能力がない」ということです。サカトは技術開発力ではどこにも負けません。しかし、「工場の大量生産能力」は、ライバルである大企業の総合建機メーカーに比べ、一段も二段も落ちます。

また、サカトの製品には、技術志向を強めるあまり、そもそも大量生産に向いていない「匠の技」のような仕様が多くあります。例えば、材料の鉄は、ロボット 溶接が不可能なスウエーデン・スチールを使っています。また、製造工程には機械化できない部分も少なくありません。

サカトは、本質的には、大量生産のメーカーではなく、研究開発型の「高品質・少量生産」を旨とする企業です。通常品質の一般製品を、商流に載せて、大量販 売するやり方は本質的に向いていません。むしろ、難しい仕事に取り組むトップ解体業ユーザーと、膝詰めで話し合い、互いに知恵を出し合って、仕様を決め、 最後は、匠(たくみ)の力ですごい製品を完成する。そういうことが向いている会社です。

かつては、ほぼ100%、間接販売だった

-- 坂戸社長が就任する以前には、サカトはどういう営業形態をとっていたのですか。

商社を通じての間接販売が、全体の売上げの8割を占めていました。今まで述べた「サカトにとっての理想の営業形態」とは全く逆の状態でした。それを1年かけて改革したのです。

-- なぜかつては「自社に向いていない営業形態」を取っていたのですか。

理由は二つあります。一つは、業界の慣例。建機メーカーの世界では、商社を通す間接販売が主流です。直販はまれです。

もう一つは、古い時代の慣習の名残。30年前、交換式破砕機の分野において、サカトが業界最先発&オンリーワンの企業であった頃には、極端に言えば販売店から「売らせて欲しい」というオファーがありました。その流れに乗じた結果、「商社を通じての間接販売」がサカトの主流営業スタイルとなりました。

直接販売への社内からの反対論

-- 直販に注力するという方針に対し、社内から反対はありましたか。

営業部員からは反対の声、不安の声があがりました。声があがりました。

しかし、その不安は、「販売店ににらまれて、売上げが減ることが怖い」といった感覚的、近視眼的な恐怖であるように私には思えました。

「販売店が今後の10年間で何をどのくらい売るのか?」と問いかける。しかし誰も明確に答えられない。別の角度から、「直販は必要だと思うか? メリットは?デメリットは?」と問いかけてもやはり答は返ってこない。

「直販か、間接販売か」という根本的な議論を、ボトムアップで行うことに限界を感じました。中小企業ではそれは難しい。

今回のeセールスマネージャー導入においては、方針の決定だけでなく、実行計画、動機付け、ツール開発、行動管理、軌道修正まで、すべてトップダウンで私が主導しました。

しかし、トップのゴリ押しだけでは社員はついてきません。「良い道具」を用意することが重要です。「eセールスマネージャー」は、営業に必要な道具立てのほとんどを、賄うことのできる優れたツールでした。良いツールなら社員も使います。

eセールスマネージャー導入の経緯

-- サカトがeセールスマネージャーを導入した経緯はどのような。

eセールスマネージャーのことは、サカト商工の社長に就任した2005年11月に知りました。もともとがメーカーの3代目なので、工場の生産管理、プロセスマネジメントに対する知識や愛着がありました。そうした手法を、営業にも取り入れないかと模索していました。そうして「営業工程管理、プロセスマネジメント」などの単語でWeb検索したところ、ソフトブレーン・サービスを見つけました。

宋会長の、パンの作り方を営業に例える考え方にも納得、そして共感。さっそく説明を聞きに行きました。ソフトウエアとしてのつくりや、カスタマシート、ビジネスシート、コミュニケーションシートなどのツール類を見て、これは使えると確信できました。

このような仕組みは、自力でやるより、プロからノウハウを買った方が速いと考え、eセールスマネージャーの導入を決定しました。

当時の営業部の状況

-- 当時の営業部の状況をお聞かせください。

営業部員はぜんぶで7名。下は、20代後半、上は、65後半という年齢構成。間接販売が中心の営業スタイルだったので、日常の業務は、代理店にカタログを送ったり、納期の問い合わせに答えたり、営業よりは、むしろ「営業事務」が一日の作業の大半を占めていました。直接販売を行うための「営業力」は不足していました。

営業部員の直販営業力を、どうやって高めたか

-- その営業部員の直販営業力を、どうやって高めたのですか。

まず社長である自分が、営業に出て、成約を取り、そして、「成約までのプロセス」を、eセールスマネージャーに入力しました。次に、各営業マンに同行して、 2回3回と成約を取らせました。そうして成功体験を得れば、本人も納得し、やる気も出ます。

もともとサカト製品力が高い。営業部員がやる気になりさえすれば、売れないわけがありません。幸い、営業マン達は、人が変わったように、やる気を出してくれました。そして、最初に述べたとおりの「サカトの理想の営業スタイル」が実現でき、そして、売上げ 180%増を達成できました。

eセールスマネージャー以前と以後で営業はどう変わったか

-- eセールスマネージャー以前と以後では営業はどう変わりましたか。

商談回数も成約率も両方上がりました。野球で言えば、打席数と打率の両方が上がったイメージです。

まず商談回数。かつては一日1~2件だった訪問商談が、今は一日4件が可能。電話によるフォローも入れれば、コミュニケーションシートが一日に10枚は作れます。

次に成約率。私自身の成約プロセスを、eセールスマネージャーに埋め込んで、それを各営業部員に真似をさせたことで、営業部全体のレベルの底上げが実現できました。

技術者も、プロセス営業を歓迎している

-- 社内の技術者の、プロセス営業への反応はいかがですか。

工場の技術者達は、利益率が向上したことを喜んでいます。工場にしてみれば、自分たちが懸命に作った製品が高く売れていくのは嬉しいことです。

以前のように低価格・多台数・低粗利の販売スタイルは、工場にとっては、「(製品を)、たくさん作らねばならない。忙しくなり、残業が増える。しかし、そのわりには儲からない」を意味する、やりがいのないスタイルでした。

2005年以後、直販比率を増加させたことにより、この状況は改善されました。具体的には、成約単価や、いち顧客あたりのアタッチメント購入個数などいずれも増加しました。この場合、工場では、「いい製品をじっくり作る。お客様に喜ばれながら、利益も上がる」となり、やりがいが増えます。

解体会社相手の営業に、特別な才能、キャラクターは必要か

-- 解体業向けの直販営業の難易度についてお聞きしたいと思います。一般的なイメージとして、解体業の人々は、「建前を嫌う、荒ぶる人々」のような気がします。そうした皆さんに、直販営業をするのは、難しい気がします。いかがでしょうか。

解体業向けの直販営業は、確かにコミュニケーション力を要します。解体会社の皆様は建前抜きに真剣に生きている方ばかりなので、理屈で商品説明をしても売れません。また、嫌われたらおしまいです。

-- 土建関係の営業を行うには、生まれつきの特別なキャラクターが不可欠になりますか。それとも「普通の人」でも教えればできますか。

教えれば誰でもできます。「解体会社ならではの特殊な営業プロセス」も一応ありますが、それでも普通の部分の方が多いですから。

逆に言えば、普通の部分の方が多いから、eセールスマネージャーのようなソフトウエアを導入してプロセス管理を行うことが可能なのです。よく、「ウチの業界は特殊だから」といって、そこで思考をストップする人がいますが、個人的には良い考え方だとは思えません。

「特殊な業界」という単語で言うならば、サカトが属する「解体会社相手の営業」は、割合に「特殊な業界」なのではないでしょうか。しかし、私は、「ウチの業界は特殊だからプロセスマネジメントは使えない」という思考はしません。現に使えていますし。

プロセスマネジメント大学への評価

-- プロセスマネジメント大学への評価をお聞かせください。

プロセスマネジメント大学は、サカトの次代を担う、幹部候補生に受講させました。こうした研修で、営業に関する体系的な知識を得ておくことは有用だと考えたからです。

営業マン本人の体験だけでは、抜けやモレが生じがちです。それをカバーするためのな営業知識が、深くはなくても総合的に、頭の中に入っていれば、どんな状況が来ても、ある程度は対処できるでしょう。一回は学んだ方がよい内容だと考えます。

今後の期待

-- 今後の期待をお聞かせください。

お陰様で5億の売上げを1年で9億に伸ばすことができました。今後は、工場の生産能力を高めていきます。われわれ営業部が注文をとってくる。その売上げを原資に見込んで、設備投資を行う。その好循環を回していきたいと考えています。

eセールスマネージャーは非常によくできたシステムだと思います。我々にはまだ使いこなせていません。今後、さらに深く使いこめば、営業効率はもっと改善 するはずです。成長の伸びしろはまだあるでしょう。ソフトブレーン・サービスには、今後もeセールスマネージャー使いこなしのための技術や知識を継続的に ご提供いただけるよう、宜しくお願いいたします。

お忙しい中、有り難うございました。